千早赤坂村 みのむしハウス〜仰げば尊し5000円〜




 これまでのあらすじ



 お盆のホテルを探し求める葉山……しかし、高い人多い予約取りにくいの三重苦。いまこの日時に行かなければならないのか。だが、お盆中怪獣二匹をずっと家に留めれば、ありありと描かれるDEATH END。絶え間なく襲う苦悩…。その時、ひらめいたのは



     MI☆N☆PA☆KU



そう、怪獣家族が増えると、一人いくらとかより何人泊っても同じ値段の一軒貸しの方がありがたい! 以前、奈良に行ったときに古民家風の民泊にリーズナブルに泊まり、普段アパート暮らしの子ども達も広い平屋の一軒家に喜んでいました。民泊はお盆料金とか設定されているのも比較的少ない(ような気がする)。これじゃあ! というわけで民泊を探すことに。


 ネットの海をしばらく彷徨った後、ふしぎ発見! 「大阪で唯一の村千早赤坂村の民泊〜みのむしハウス〜」電話したら、どこの宿泊検索サイトも今更盆の宿がとれると思うなよ、という中で、予約とれました。やったー。












 予約とれてほっとしたところ、泊まり先の情報を得ようとネットしていると、お? 管理人のお兄さんのブログを発見。



 元々一軒貸しで2万円。4人泊まってぽっきりなら十分安いと思うのですが、SNS割引きしてるそうで、ツイッターやフェイスブックやインスタでフォローすれば2000円引き! 投稿すれば3000円引き! 合わせて5000円割引!? ひゃっほー!! さあ千早赤坂村にある金剛山に向かって大きな声でツイッターもフェイスブックもインスタもやってねえー。





 前世紀の遺物を自称する葉山にはハードル高すぎませんかね……?





 でも諦めきれずブログよく読んで見ると、


 ・マッサージやってあげます

 ・ご飯おごってあげます

 ・ブログで紹介してあげます

 ・プロフィール撮影してあげます

 ・ドライブ連れて行ってあげます



みたいなのでも値引き交渉するよ(要約)





・ブログで紹介してあげます






……





もう自サイトで紹介とかいう発想が出ない世代なんだな……(ごくり)









 死んでるブログが一応あると言えばあるんですが、アカウント忘れて入れないしあまりにも人目に触れないだろうし気の毒かなあと思って、自サイトのレビューページを作るのを条件で交渉してみることに。快くOKもらえました。



 さあ、そんなぽっきり2万円のところをさらに、ごっせんえんッ! ごっせんえん!!(凄い力入ってる掛け声で)









 というわけで、民泊体験記です。5000円分がんばるよー。







 前日に近くの牧場に遊び行ってそこの牧場のログハウスに泊まっていたので、午前中は引き続き牧場で遊んでお昼からチェックイン。京都で38度の日だったので暑い暑い。無理して倒れてもいけないと思うので、早めに切り上げお昼前に向かいました。




 前日に予約確認で聞いたところ、近くまで来たら電話してください、とのことで、千早赤坂村村役場を通り過ぎたあたりで連絡。立って待っているのでそれらしい人とバッティングしてくださいと。アバウトな指示をアバウトに了解してどんどこ車で行きます。ここから5分ということは、なんとなく山深い場所をイメージしていましたが、山道を延々いくという感じでもないなと。


 それでもそれなりに山な一本道をどんどこ登っていくと、道路の端に第一村人発見。見た目からして、それっぽい。ブログで何枚か写真見てたんですが、実物は上背のあって引き締まった体躯の普通にイケメンのお兄さんでした。





 駐車場に案内してもらい、車から降りて挨拶して、親切に荷物を持ってもらっておうちに出発です。お兄さんがさっき立って待っていた峠のような場所から人一人通るのでいっぱいなコンクリート細道を下る下る。棚のような開けた平地につきました。あ! 端にお地蔵さんがあるぞ!(←お地蔵さん好き)いい感じに年季の入った可愛いお地蔵さん!


 そんなほのぼのとした木漏れ日の中に立っていたのが、みのむしハウス


 家に近づくと犬の声が聞こえてきました。牧場で犬としつこくふれあい続けたペコ太が素早く反応します。お兄さんの飼い犬で、二階にいるそうです。 一軒家で一人と一匹で暮らしているらしいです。好青年か。人見知りだそうでお兄さんの居住部分の二階からはおりてこない、姿なきワンちゃん。本当に実在しているのか…?(謎の疑い)




 ワンちゃんの写真がとれなかったので代わりにイメージ画像。







 

何見てんだよ。


 











 さてはて、お部屋に入れてもらいました。


 ん?





 
 




これは…。







 おじいちゃん家! 




 おじいちゃん家じゃないか!!


 









 間違いない奴!!








 もっと間違いない奴!!!






 









ん?




















 おじいちゃん……?





 ちなみにこの部屋、あっという間に我が家の怪獣二匹が暴れまわる場となりました。









 大きい声だしても平気なのは一軒貸し切りの山深い民泊ならではですね。お兄さん二階にいるけど。





 とりあえずお昼ご飯がまだだったので、車で金剛山のマス釣りに出かけました。川の流れを利用した釣り場で、初期料金は250円ですが、釣ったら全部買い取っていただきますぜへっへっへっ、というシステムだったため、釣り場の人がひそかに潜って釣り針に魚の口をひっかけとくレベルで絶対に釣れるはず。4匹釣ったら急いで撤退。4匹で1150円くらい。釣ったマスをその場で料理してもらえます。+料理代700円くらい。唐揚げ一択だろ、と思ったけれど、塩焼き美味しかったです。



 日本一可愛い道の駅というのに寄り道して、そこのお姉さんに勧められた、茄子のかき氷、というのに悩んだのですが残念ながら賞味せず、スーパーで買い出ししてまた家へ。







 家についたらすぐにまた怪獣たちが…。
 






俺たちの戦いはこれからだ。





 さて、再び民泊に腰を据えました。テレビ争いと扇風機争いを横目に、外ではカナカナカナカナカナ…ヒグラシがずっと鳴いています。暑かったので冷たいシャワーを浴び、買ってきた晩御飯を食べて、テレビでは戦争の特集番組。これも一つの夏の記憶ですね。



 お兄さんが布団を敷いてくれたので、手伝い(と称して邪魔するペコ太)。ペコ太はお兄さんに懐いてましたね。
 


 ちょいと寝苦しい夜でしたが、子どもたちは寝かしつけるまでもなく、一人一人寝落ち。まあ、あんだけはしゃいで梯子を上ったりおりたりしてたらゼンマイも切れる。




 夜中に目が覚めました。


 網戸に近寄ると、網越しにひんやりとした山の空気と風が静かにやってきます。木々の影がひどく静かで、でも遠い虫の声は途切れない。




 夏は夜、と言ったものです。縁側でしばらくごろごろしたり座って眺めていました。



 さて気が済んだら寝床に戻り、今度こそねむりにつきます。
















 一夜明けました。網戸とガラス戸なので、夜が明けて徐々に明るくなっていくのが、夢の中でもわかります。




 ある時を境にいっせいに鳴きだすヒグラシ。あちらからもこちらからもヒグラシの声が響いて、家全体がヒグラシに包まれてます。夢心地なので自分もまだわけがわかっていないまま、全身がヒグラシの音に包まれて、いつしかヒグラシの声が映像になりました。水平の世界に上から下から緑の笹船が、糸で引っ張られるように進んでくる。



 音が視覚化されるなんて初めての経験です。









 世界全部がそれで満たされていたようなヒグラシの鳴き声は、ある時を境に幻のようにやんで、その後から別のセミの声が響いてきました。しばらく後に身をおこして、ぼーっとしながらも、今すごくいい体験したんじゃないかなと思いました。






 朝ご飯は、昨日道の駅で手に入れた地元のトマトハウスというパン屋さんの食パンに、昨日牧場で貰った七面鳥の卵、スーパーで買ったレタス、ベーコン、ハム。とハチミツ。



 前日お兄さん「ここにある調味料は全部使っていいですから」


   前日葉山「そこのハチミツ使っていいですか?」



 ハチミツは調味料か? 


 というお兄さんの無言の声を無視しました。




 (お兄さん養蜂しているらしく、置いてあったハチミツに千早赤坂村産って書いていたので賞味してみたかった)




 トマトハウスのパン美味し。有名な高級食パンを二回くらい食べたことあるんですけど、比べてもこれ全然負けてない。千早赤坂村のハチミツをつけて食べます。酸味というか、色々な味がする。美味しいなあ。








 さて、ここで二階から幻のワンちゃんが登場。






 

 フィクションだとでも思ったか。









 飼い主に似てシュッとした精悍なワンちゃんでした。お兄さん急いで外に出して丁寧にブラッシングしていました。好青年か。








 この日も予定があったので、九時前には出発することに。最後まで荷物持ってくれたお兄さんにお礼を言って、家を後にしました。ありがとうお兄さん。









 まとめ。


 いやー、ほんとに夏の休日って感じでした。凄い楽しかった。




 ただ、一番暑い時期だったせいか、クーラーがないことが委員長には堪えたみたいです。委員長も一応盆地の出なはずですが、普段クーラーガンガンの部屋に座って仕事しているから暑さにからきし弱い。わりかし暑さに強い葉山と子どもたちは平気、というか、これもこみで凄い懐かしかった。子どもの頃はこんな感じだったなあと。クーラーなんてつけないで、まわってくる扇風機の風をとらえようとしながら寝た感覚を思い出しました。


 本当に日差しが危険ではなかった頃の日本の夏って感じでした。やっぱり今の危険な暑さはコンクリートジャングルの影響がかなりあるのかなあなんてことも考えました。




 マス釣りのご飯食べた食堂もクーラーはなく(山の方で水際なので体感的にはかなり涼しい)、この地方はそうなんだろうなと。本当に全国的に38度とか出る時期だったので、この地方でなら委員長タイプの人でもクーラーを必要とするのは年間で一週間もないんじゃないかと思いますが、暑さに弱いならこの時期をちょっとかわすのが良いかも。でも、ヒグラシが鳴くのもこの時期だろうしなあ。こればかりは人それぞれかも。










 お部屋は綺麗。



 

 


 うちより設備がいい。(遠い目)





 いい写真がなかったんですが、おじいちゃん家からそこだけ乖離して、テレビとステレオがやけに立派でした。手持ちのDVDのアンパンマンとか見ちゃったけど、和風ホラー物の上映会とかやるとシチュエーション相まって最高じゃないですかね。オラ絶対に参加しねえぞ。








 あと、おうちのあちこちにおしゃれな炭?




 

消臭のためかな?




こんな風に細部に色々気配りがあり、綺麗ないい家でした。










 ……。




あ……。でも一つ気になることがありますね。素敵な台所の……












椅子の足元に…。







ばれたぜ。







なんでここまで引きずっているかと言うと、こいつよく外れてた。 






こんな感じ。






 最初はおや外れていると気づいてはめなおしていたんですが、こいつよく外れる。
 










 

にやり。























 そんなわけで、夏の一日、民泊体験!〜体験記書けたら見せる約束したので5000円返せと言われないかびくびくだぜ!〜 終了です。






 ご清聴、ありがとうございました。



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