ペルソナ5 クリアしたよー。 



 まずはネタバレなしで。




 とはいえ、軽いあらすじ。




 見知らぬ女性を助けようとして、無実の罪で傷害の前歴がついた主人公。
 住み慣れた故郷や学校を追われ、保護司として監督する喫茶店のマスターを頼り見知らぬ都会へとやってきた。
 転校初日、彼は自分の携帯に見慣れぬアプリが入っていることに気づく。それは他人の心の中に侵入し、人を食い物にする邪悪な欲望を"改心"させる、未知の力を秘めたアプリだった――。
 社会や心無い大人に苦しめられた仲間が、引き寄せられるよう集い始める。彼らは自らを怪盗団と名乗り、予告状を叩きつけた。野放しになった悪党たちの暴虐な欲望を頂戴する――、と。

 はじき出され、白眼視され、全てを奪われた者たちの反逆がいま、始まる。



 





 









 いや、面白かったです。インスタとかツイッターとか炎上とかネットリンチとか、そんなものがあふれる現代にどう物語を持ってくるべきなのか。


 前からそれにたいして懸念というか疑問をくすぶらせていたのですが、その一つの答えがここにはあるなあと。


 小説「七都市物語」で移り気な民衆の傲慢さ、独裁者も所詮は民衆のおもちゃでしかないのでは…?という一節がありますが、このゲームでも徹底的に他人や事象をおもちゃにする民衆が描かれている。勝手に期待を寄せて勝手に信望して勝手に裏切られたと失望してそのことで勝手に敵意を向ける。色々と考えさせられるし、現代を描くにふさわしい物語であったと思います。


 あとはコスチュームがかっこいいなあ。アルセーヌ・ルパンは嫌いですが(だってあいつすっげー卑怯なことすんだぜ! 子どもの命を盾にとって母親を脅すとか、父親を誘拐して未成年泣かせるとか)コスチュームはかっこいいよね!


 
 






 ネタバレありー。




































 納得いかねえええええええええ!!







 いや、これラストを簡単にまとめると


「少年院にぶちこまれたり生涯監視もつきそうだし前歴ついてたレッテルも消えたりしないけれど、私は元気です☆」













 なんでだよ!!!!

















 ペルソナ4ではあまりに菜々子さんが可哀想すぎて「高校生なんか勝手にコンビニで飯買って食っとけ!」と暴言を吐いた覚えがありますが、今回は高校生の主人公が可哀想すぎる!!



 作中で「前歴持ちの屋根裏のゴミ!」ととあるキャラに罵られるんですが、ぐさっときた。その罵りが何一つも間違っていない!という絶望に。




 なにも悪いことしてないのに(むしろいいことしてた)なんでこんな目に遭ってんだ!!!

 

 という憤りで常にいっぱいでした。その挙句に少年院だよ!? 検事姉ちゃん大人に任せておきなさい、じゃないよ!!! そして親っ!!! 親っ!!! (迎えにくらい来い!!!)





 あと気になるのが飯! 主人公ちゃんと飯食ってるのか! と凄い気にしてたんですが、屋根裏提供のマスター(出会って数分でこいつぜってー好感度マックスにしてめろめろにしてやると思った)が朝飯くらいは食わせてやるよ、と差し出された朝飯が。




 カレー。






 ……




 たぶんこの店、カレーしかない…。





 というわけで、イチロー くんの毎日がスタートするわけですが…。




 怪盗団の行いの有無については賛否両論わかれるところで、おそらくその着地点として少年院一ヶ月だったのでしょうが……やはりこの展開は納得ができない。



 なぜかというと、この世界には警察と検察とか公的機関がまったく作用していないから。



 法的にはぎりぎりセーフの悪い行い?ならいいとしても、警察や検察や大人側がぶっちぎりで法でももちろんアウトをくりかえしてるんですよね。特に悪い奴じゃなくとも当たり前のようになんの保証も法もないというか。



 北斗の拳でケンシロウさんが人を殺しても、こいつ殺人者だ! とか読んでる側としては非難しないじゃないですか。それはケンシロウの世界が世紀末無法地帯だから。それと一緒でペルソナ世界も無法地帯。それで主人公たちだけに違法の報いを受けさせようというのはアンフェアです。







 検察姉ちゃんが「大人にも少し〜」みたいな台詞を吐いていましたが、いやあまり説得力がなかったです。ここまで権力側が上も下もどうしようもない救いようがない面ばかりを描いてしまうと、賛否両論にもならないんじゃないかなあ。結局まともな大人ってマスターと政治家立候補のおっさんと武器屋のおっさんだけだし、このおっさんたちはみんな権力側ではないし。(同じくコープ関係の大人の女性陣たちも)



 せめて警察にも1人コープがいたらもうちょいバランスがとれたのでは、と思います。


 











 凄いネタバレするよー。









 というわけでどうしたいかと言うと少年院に入る奴はそこにいるだろう、と。












 ゴロー野郎!!(前歴持ちの屋根裏のゴミと罵ってきた奴)








 前歴持ちの屋根裏のゴミ発言は正直ゴロー野郎よりそういう風に仕向けた世界にむかむかしてましたが、まあその前の牢屋でのやり取りはそれなりにむっかーときてスタートから地味に溜まってた「どうせ捕まんだろ…」のフラストレーションが一気に晴れたイチローのニヤリは実に爽快でしたし、やっぱり一番テンションあがったのはあそこでしたし、その後の繋がりとか動機もよかったと思います。あのエピソードと祐介のエピソードが一番良かったなあ。


 




 んで、別れる最後にコープが完成するエピソードとか、イチローをすげえ羨んでたとかもよかったし、罪を考えると生き残っても仕方ないかもしれませんが、とりあえずお前が入れ少年院!!!

 



 そして時が過ぎて仮釈放されて保護司になったマスターに迎えられ屋根裏にいき、今度は自分が前歴持ちの屋根裏のゴミになるっていう展開でね、フフ、フフフフ……(←やっぱり根に持ってる)








 そういうくすぶりもあり、前半がすっげーわくわくしてやって盛り上がって最後の方でちょっと失速というか、少年院送りでえっ!? 終わり!?と少し物足りなかったかなあ。
 少年院からの復帰もちょっと盛り上がりに欠けたというか、仲間はいい奴だとは思うしコープで関係築いた人たちの支援も嬉しかったけどね…。



 ラストから考えるに「世界はどーしようもない。自分がどう変わるかどうあるかだ」みたいな方向なんだろーと思うけれど「世界(大人)はどーしようもない」と切り捨てられた側がちょっと切ないというかもうちょっと世界(大人)側にも救いというかそれなりにこれじゃだめだな、と思っている人もいるんだよーみたいな方向性が良かったかなあと。
 切り捨てられる大人側に所属している目線で見ちゃいましたね。ペルソナ4も考えてみればそうだったけど。あの出来事を経てみんなが自分や他人は無責任な民衆・集合体・ただの記号なのではなくて、ひとりひとりちゃんと責任を持ち傷つけられ傷つけることのある実体のある尊重すべき人間なんだ…って考えが少しは世界に浸透して欲しいかなあ、と。









 後は散発で。



 ・ダンジョンなげえ…


 ・オクムラパレスはなげえわりに今後の不穏な気配感じすぎてテンションすげえあがらねえー…


 ・これで彼女がいなかったらイチローの青春がやばすぎると思って凄い彼女を誰にするか考えた。物凄く考えた。最初に先生を彼女にするかどうか悩んで先生好きだったけどようやく教師として新しい一歩を踏み出そうとする先生に新たな苦悩(教え子と恋愛関係になる)を背負わせるのはいかんのじゃないかとやめた。


 ・でもその後に、頻繁に夜中自室にメイドを呼びつけてマッサージさせる彼女持ちというイチローに、まだ先生彼女にした方がましだったんじゃないかこれと思った。 


 ・彼女は杏さん。これも猫への罪悪感で長らく考えてたけど、クリスマス迫ってたのでやむを得なかった!! 杏さん自身は可愛かったし満足。


 ・メインキャラ。うーん。猫がそれなりに心の支え。竜司さんは悪い奴じゃないと思ったがこいつだけは仲間にしちゃいけないキャラだと思った。祐介くんの話はいい話だなあと思ったが、後に居候するとか聞いてええええこいつと屋根裏で住むの? 猫と同じポジションなの? 男性プレイヤーはそれでいいのか? しかしこいつも行先のない奴だ仕方ない受け入れようと色々の葛藤の末心決めたのに次の日寮に帰ったので肩透かし。キャラ的には貧乏な芸術家で面白かった。寿司を食うのは大切だ。双葉さん。妹ポジションだけど彼女にするのはいただけないかなー…と。彼女の今後が心配だったのでコープはマックス。恋人フラグ折った時にあんまりダメージがなかったのでなにより。真さん。居る場所が中盤までわからずコープすすめられず。境遇的に彼女はこの人かなーと思っていたけど、やっぱり進まなかった。春さん。外見が好きなのと結構コープがピンチだったのでマックスになったし彼女候補だったけどなんやかんやで。ふるときに一番なんか悪かった…と思った。


 ・結論・政治家のおっさんが一番好き。


 えーと、一番好きだった政治家のおっさん。半分ぐらいこの人の魅力で進んでいたような気がしますが、なんというか、たぶん私は実は政治家が好きなんだろうと思います。好きというか、主張すべき思いがあってそれを無視や白眼視にも心折れず集団に向かって必死に伝えようという情熱は自分には決してないものだなあ、と。
 色々不祥事が目立ってダメダメな印象もありますが、顔と名前をさらして主張するだけ匿名で言いたい放題する人間より覚悟を背負っているんじゃないかなあと。



 だからって誰かが特に好きというのは今現在はないので、正確に言うとたぶん「政治家を好きになりたい」のかな、と。今の政治は駄目だとか政治家は腐敗ばかりだとかまとめてくさするのは簡単だけれど、そこに誰かを見つけたい。  



 その思いにジャストフィットしたのが寅之助だったかなあと。この人だけがかつて権力側でまた再び権力に絡んでいこうとしている人だから余計大きな意味があったと思います。
 もうちょっとこういう人が欲しかったかなあ。警察腐っているだけだった…。




 







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